Dell PowerEdge 2850へのDebianインストール
概略
まず、Dell用のインストールイメージを配布しているサイトからDebianをインストールし、その後、kernel2.6系をインストールする。2005年12月8日時点では、2.6.14.3をインストールし、動作を確認した。
ハードウェア情報
- Dell PowerEdge 2850
- 64ビット Intel Xeon 2.8MHz * 2
- Intel E7520 チップセット
- 主記憶容量 4GB
- オンボードPERC4e/Di RAID 1
- SCSI 73GB HDD * 2
- CD-RW, DVD-ROM コンボドライブ
- オンボードLAN
インストール
Dell用インストールイメージのインストール
- Debian on Dell Servers
上記サイトより、インストールイメージをダウンロードし、CD-Rに焼く。
次にインストールを行う前にBIOSで、「OS Install mode」をONにする。注意点としては、これをONにすると、メモリが256MBまでしか、使用できない。また、起動時にある場所で一度停止する(以降はF1キーを押さないと次に進まない)。 (場合によっては、bootイメージを読み込むデバイスの順番を変更しておく) この後、用意したインストールCDを使ってDebianのインストールを行う。
ハードディスクの設定を行う際には、第一パーティションを消してしまわないように注意を払う。今回は以下のように切った。
# cfdisk /dev/sda Name Flags Part Type FS Type [Label] Size (MB) ------------------------------------------------------------------------------ sda1 Boot Primary Dell Utility 74.03 sda2 Boot Primary Linux ext3 2146.80 sda5 Logical Linux ext3 10001.95 sda6 Logical Linux ext3 29997.60 sda7 Logical Linux ext3 31050.44
主記憶容量が4GBあるので、swapのパーティションを切らなかった。 パーティションは以下のように割り振った。
# df -m Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/sda2 2016 61 1852 4% / /dev/sda5 9389 721 8192 9% /usr /dev/sda6 28159 230 26499 1% /var /dev/sda7 29147 70 27597 1% /home
データベースサーバとして使う予定なので、/varを多くとった。
パーティションのマウントと初期化が終わったら、次はドライバの設定を行う。このインストールイメージは、必要最小限のドライバしか持っていないのでネットワークのドライバだけを選択すればよい。e1000を選択する。
その後は、インストールを流れのままに進めていく。
なお、ブートローダ(LiloやGrubなど)をマスターブートレコードに入れておいたほうが便利。そうでないと、毎回、インストールイメージのrescueモードでブートすることになる。個人的にはGrubがお薦め。
再起動後、Debian本体をインストールする。インストールイメージだとネット経由でSargeがインストールされる。以上で、第一段階のインストール終わり。次のkernel 2.6系をインストールするために必要なパッケージをインストールすること。
Kernel 2.6系のインストール
今回は、オンボードPERC4e/Diを使ってハードウェアRAID 1を構築したいので、必ずmegaraidというドライバを組み込まなければならない。このドライバは少なくともlinux kernel 2.6.14.3以降はkernelのソースに含まれている(だから、付属のCDは必要ない)。
- The linux kernel archives
kernelは、上記のサイトやRing server projectのサイトから落としてくる。 (wgetを使うと便利)。あと、今回はmake-kpkg(kernel-tools)を使ってkernelをコンパイルする。
kernelは/usr/srcに展開し、linuxとしてシンボリックリンクを張る。
% tar xvfj linux-2.6.**.tar.bz2 -C /usr/src % cd /usr/src % ln -s linux-2.6.** linux % cd linux % make menuconfig
kernelの再構築時の注意点は、以下の通り
- mkinitrdの作成がうまくいかない(yairdを使うとエラーがでる)ので、モジュール化せず、すべて組み込む
- マルチプロセッサ系は組み込む
- プロセッサの種類でXeonに関連あるものを組み込む
- SCSI系は大体組み込む
- megaraid, aacraid, e1000を必ずくみこむ
- SATAは組み込む
- Highmemを組み込む
今回設定した.config(kernelの設定ファイル)はこちら
設定が終わったならば、kernel-imageをつくる
% make-kpkg clean % make-kpkg --revision=YYMMDD kernel-image % cd ../ % dpkg -i kernel-image-****.deb
その後、自分の使用しているブートローダで立ち上げる。 今回はGrubを使っているので/boot/grubを作成し、そこにmenu.lstを/usr/share/doc/grub /exampleからコピーし、編集する。今回の場合は以下のとおり
# For booting GNU/Linux title GNU/Linux 2.6.14.3 root (hd0,1) kernel /vmlinuz root=/dev/sda2
注意点としては、PowerEdgeにFloppyを付けて購入していない場合にはgrub-installでエラーがでる。理由は、grub-install実行時に自動作成されるファイルdevice.mapにfd0が書かれているため。一度、エラーがでたら、/boot/grub/device.map内のfd0に関する行を消して、もう一度grub-installを行う。
% grub-install 一回目は、エラーがでる(プロセスが終わらない) % grub-install
以後、menu.lstを書き換えたならば、update-grubを行う。
以上で、カーネルの再構築は成功するはず。もし、kernel panicで止まってしまったならば、PowerEdge 2850の前面の[i]ボタンと後ろの[i]ボタン(光っている)を押してから、電源スイッチを長押しすると電源を落とすことができる。
インストールが終わったら、BIOS設定の「OS install mode」をOFFにしておくこと
参考
- DELL PowerEdge 1850 と 2850 へのインストール
- RE:[SOLVED] Dell PowerEdge 2850 kernel panic.
http://linux.derkeiler.com/Mailing-Lists/Debian/2005-01/3430.html
- Dell PowerEdge 2850 kernel panic.
http://linux.derkeiler.com/Mailing-Lists/Debian/2005-01/3227.html
- PE2850: debian sarge, 2.6.x and RAID monitoring? (iRt: Re: poweredge 2850)
http://lists.us.dell.com/pipermail/linux-poweredge/2005-July/021970.html
- DELL PowerEdge 2650 への Debian(woody) インストール