程研究室の学位論文執筆手順


はじめに_

埼玉大学工学部情報システム工学科先端情報システム工学研究室(通称:程研究室)における卒業論文と修士論文の執筆手順について述べる。想定読者としては、程研究室の学生を対象に考えている。

論文執筆環境と執筆段階_

書式の統一の観点から卒業論文、修士論文、博士論文(以下、まとめて学位論文とする)はLaTeXを用いて執筆してもらう。研究室配属後のできる限り早い時期にLaTeX執筆環境を整えておくこと。

学位論文の執筆は、以下の段階を踏み行う。

  • 解決すべき問題と研究の目的・目標の決定
  • 構成案の決定

    構成案:タイトル、概要、章・節タイトル&トピックを一文ずつ

  • 論文予稿の執筆

    論文予稿:修士は2ページ以内、卒論生は2〜6ページ以内に論文の内容を簡潔にまとめる

  • 論文の執筆
  • 論文完成

各段階ごとに指導してくれる先輩あるいは指導教員のチェックを受ける。

なお、構成案や予稿の段階では、実験や実装が終わっていないため書けないところもあると思うが、その部分は理想的にうまくいったと仮定して書く。理想的にうまくいったという仮定自体を我々がチェックすることでみなさんの自分自身の実装や実験に対する理解度を把握するつもりである。

解決すべき問題と研究の目的・目標の明確化_

我々は工学の人間であるので、研究の基本構造は以下のようになっていないといけない。

  • 解決すべき問題を提示する
  • 現状
  • 問題が発生する原因を分析する
  • 問題の解決策を提示する
  • 解決策の実現方法を提示する
  • 解決策の有効性をモデル、もしくは実験において実証する

このことから、研究の根幹は「解決すべき問題は何か?」「何故、その問題を解決しなければならないのか?」の二点となる。まず、この部分をはっきりさせる。

指導のために以下のフォーマットで研究室の全員宛てにメールを出すこと。

  • 提出方法: メールで全員宛へ出す
  • 件名:

    メールのSubjectを以下の鈎括弧の中のようにする「解決すべき問題(名前)」 たとえば、後藤であれば、 「解決すべき問題(後藤)」

  • メールの内容
    • 研究テーマ(出来れば英語タイトルも一緒に)
    • 問題
    • その問題に対する現在の状況
    • 研究の目的
    • 研究の目標
    • 補足(補足説明がしたいならばここに書くこと)

この部分について指導教員よりOKがでたら、構成案を作る。

構成案の書き方_

メールでやりとりしつつ、論文の構成案を固めていく。

形式_

  • 提出方法: メールで全員宛へ出す
  • 件名:

    メールのSubjectを以下の鈎括弧の中のようにする「(修士か卒業)論文構成第N案(名前)」 たとえば、修士の後藤が第一案をだすのであれば、 「(修士)論文構成第1案(後藤)」

  • メールの内容:
    • 題目(日本語&英語)
    • 論文概要(300字以内)
    • 章タイトル、節タイトル(日本語&英語)
    • 各章 or 節のトピックを一文ずつ
    • 参考文献(程研究室の形式で)

タイトルと章タイトル・節タイトルは必ず英語と日本語の両方で書くこと。英語と日本語の両方を考えることで自分の考えがはっきりし、主張したいことが明確になる。

概要に関する注意事項_

修論、卒論(実はいかなる論文も)の概要に、必ず、

本研究(で)は、・・・・・のために、*****を
☆☆☆☆☆した。本研究の成果を利用することによって、
◇◇◇◇◇◇になった(分かった)。

というパターンの記述を含めること。

基本的に、このような記述の前に背景、問題の提示を、後ろに論文の構成を記述すれば、大抵よい概要になる筈である。

章タイトル・節タイトルとトピックについて_

各章や節には、いくつかのパラグラフ(ある主張をするための文のまとまり。日本語でいうと段落に近いもの)がある。

このパラグラフで述べたい主張がトピックである。このトピックをできる限り一文でまとめること。そして、各章や節タイトルと一緒にトピックも記載すること。

なお、「この章では***を書くつもり」や 「この章では***をまとめる」はトピックではない。

構成案へ指摘とその返答について_

研究室全員宛てに返信すること。また、我々からOKをもらうまで構成案のへの修正を続けること。

指摘内容が異なっている場合_

一番、納得した指摘に準ずること。そして、そうした理由を他の指摘した人に説明すること。

論文構成案の例_


タイトル:
 日本語タイトル
 英語タイトル

著者(学位論文の場合は不要)
 後藤 祐一、****、*****

概要(300字以内)
 *******

1. はじめに
   Introduction

 *****を行うには***が不十分であるという問題があった。

〜 中略 〜

6. おわりに
   Conclusion

 6.1 まとめ
   Summary

     ****を***することを実現した。

 6.2 今後の課題
      Future works

  ****について****を行う必要がある。

謝辞
Acknowledgement

参考文献
References

付録
Appendix

予稿の執筆_

構成案に基づき論文の予稿を作成する。フォーマットは、修士の予稿に従うこと(修士論文スタイルファイルに含まれている)。修論生は2ページ、卒論生は2〜6ページでまとめること。

論文執筆_

TeXのスタイルファイル_

学科のWebページにあるものをカスタマイズしたものがあるのでそれを使うこと。

博士論文は程研究室版スタイルファイルを使う。

構成案

第0稿の作成_

論文予稿にしたがい、できる限り早く頭からお尻まで埋めたものを作成する。論文執筆方法については、たくさん書籍があるのでそれを読むこと。

一応参考までにTipsを書いておくと。

  • 概要と第一章が一番書きづらいので後回しにする
  • 頭を使わないで良い部分から書き始める
    • 謝辞
    • 参考文献 (程研究室の参考文献形式はこちらのとおり)
    • 図、表
  • 自分がよく分かっているところから書き始める
    • 実験を行ったならば、実験方法と実験結果
    • 開発ならば、要求分析、機能定義、実装

 * 理論系ならば、数式

  • 後は、勢いで書く

第1稿の作成_

第0稿を先輩や教員に見せてはいけない。これを第1稿に磨き上げないといけない。「卒業論文・修士論文自己チェックリスト」にしたがい、第0稿を第1稿に磨き上げる。

指導を受ける_

先輩や教員からの指導に従い、論文の品質を上げる。2009年度は後藤は1人あたり平均3回指導した。

論文完成_

後藤から許可を得たら、程先生に指導してもらう。程先生から許可をもらったらはれて論文を提出できる。

リンク_

読みもの_

思考支援ツール_

日本語論文執筆参考ページ_

英語論文執筆参考ページ_

LaTexリンク_

BiBTeX_

発表方法参考資料_