- 挨拶
- コミュニケーションの第一歩は挨拶です。
「何を小学校の道徳の時間のようなことをいっているんだ。」
と思っているあなた!!
不憫です。その猛き心を抱いたまま、茨の人生を歩んでいってください。
「確かにそうだよな。」
と思ったあなた。そうですコミュニケーションの基本は挨拶です。
日本には古来より「以心伝心」という考え方があります。
(実際は、中国からの輸入概念ですが。)
この「以心伝心」というのは高等技術です。
禅宗のお坊さんが悟りを開く際に「言葉」によって悟りを
つかむのではなく、「言葉にならない何か」をつかんで
悟りを開く際につかわれる言葉、概念であります。
ですので、たかが大学に通っている程度の我々庶民は、
「以心伝心」など使いこなすことはできませんので、
「言葉」を利用して「言葉以外のなにか」も伝えましょう。
挨拶というのは、基本的に
「私は、あなたのことを認識していますよ。」
「私は、あなたに対して少なくとも敵意をもっていませんよ。」
という意思表示です。
この挨拶という行為に心がこもっていなければならないということはありません。
大事なのは挨拶をしているという形式です。
すごく品性の低い表現になっていますが、
好意のあるまなざしを毎日送り届けるよりも、
儀礼的な挨拶を毎日続けるほうが、多くの人に好感をもたれます。
なぜならば、好意のあるまなざしを毎日送り届けるという高級テクニックに
気付くには相手方にそのテクニックを気付いてやれる能力を必要とします。
しかし、挨拶に気付くのに必要なのは聴力と視力だけです。
この聴力と視力は、まなざしに気付く能力よりもはるかに多くの人に備わっています。
ですから、心がこもっていようがこもっていなかろうが、
挨拶をひたすら続けることに意義があります。
それでは、基本的な挨拶をピックアップしましょう。
- 「おはようございます。」or「こんにちは。」or「こんばんは。」
- この時間によって変わる挨拶が一番の基本形です。
「おはようございます。」は午前中、
「こんにちは。」は始業開始から日没まで、
「こんばんは。」は暗くなってから、
と使い分けると間違いがないでしょう。
さらに相手にインパクトを与える基本テクニックとして、挨拶をするときに
何かしら体の動きをいれて、相手の目をとらえてから挨拶すると効果的です。
例、
廊下で、知り合い(教官含む)に出会ったときに
会釈付きで、相手の目をがっちりとらえて
「こんにちは。」
この際、相手から返事が帰ってこなくても決してむっとしてはいけません。
内心で、
「かわいそうに、挨拶を返す能力がないのか。」
と憐れんであげましょう。そうすると腹がたちません。
そして、次の日以降、執拗に挨拶をしかけましょう。
いずれ、相手も根負けして
「こんにちは。」
と返してくる日がきっときます。
そのとき、あなたは、
「勝った!!」
と拳をにぎりしめて実感するでしょう。
- 「お先に失礼します。」or「おつかれさまです。」
- この挨拶は、自分が退出時に用います。
「おつかれさまです。」は相手の退出時に用いても効果的です。
この挨拶をするときに複雑に考えてはいけません。
例えば、自分は朝の8:30から研究室にいる。
友達は、夕方17:30に入室し、18:30に
「お先に失礼します。」
と言ってきたとき
「お前は、1時間しかいないのだから、つかれていないよな。」
なんて、切り替えしてはいけません。あくまでも、
「おつかれさまでした。」
と返しましょう。
この挨拶に限っては疲れていても疲れていなくても
疲れているとみなすのです。
- 「すいません。」+「ありがとうございました。」
- はっきりいって、上記の2種類の挨拶はこの挨拶への前振りに過ぎません。
研究室に通って、研究をする最大の目的は他人の活用です。
わからないことを調べるのに他人の知識を利用するほど効率的な手段はありません。
あるいは、誰かに行き詰まっている問題について語っているときに
その解答が見つかるなんてことは日常茶飯事です。
「こんにちは。」、「おつかれさまです。」という挨拶で通信路を確保したら
その通信路を活用するプロトコルの開始命令が
「すいません。」または、「お忙しいところ失礼します。」です。
まず、
「すいません。」
で相手の注意をこちらにひきつけます。
そして、おもむろに質問をぶつけます。
一応の解が得られたならば、相手に対してできるだけ笑顔で
「ありがとうございました。」
と伝えます。
たまに、自分の欲する解が得られないときに何も言わないで
会話を打ち切る人がいます。
これは、非常によくありません。
なぜならば、そういう態度で質問をすると質問される相手は、
「こいつ、俺のことを道具としてみなしているな。」
と看破します。
これでは、研究室にくる意義がありません。
できるだけ、気持ちよく質問に答えてもらうためにも
一応の解を得ることができたならば、
「ありがとう。」
と伝えましょう。
また、他人に何かしてもらったならば、とりあえずリアクションの第一声目は、
「ありがとう。」
に習慣付けましょう。
実際は、ありがた迷惑なときでも、まず、
「ありがとう、でも、ほにゃほにゃほにゃ・・・・。」
というようにしましょう。
「ありがとう」を接頭語にするだけで、相手に与える印象が大幅に違います。
- 「ごめんね。僕も分からないや。」
- 研究室にいると、自分が質問するだけでなく
質問されることも多々あります。
自分がその質問に答えられるならば、問題ないのですが
答えられないこともよくあります。
そんなとき、
「そんなことは、知らん。自分で調べろ。」
と言ってしまっては身もふたもありません。
相手が質問してきたのを善意でこちらも答えてあげているわけですが、
自分が知らないということを波風なく伝えるために
必ず
「ごめん、」
と頭に付け加えて、自分も君の質問に答えてあげられないのは心苦しいのだよ。
という気持ちをアピールしましょう。
- 規則
- 規則というのもコミュニケーションの一部です。
規則を守るという行為が、
「私は、この集団に敬意を表しており、この集団に属していることを尊重しております。」
という意思表示です。
逆に、規則を守らないという行為は、
「私は、この集団に属すつもりはありません。」
あるいは、
「私は、この集団に不満をもっています。」
という意思表示です。
基本的に話し合いで物事を解決するという根本定義を持つ集団において
規則を守らないという行為に、規則を守らない理由を付け加えない個人は、
その集団からの脱退を意思表示しているものをみなされます。
その規則を守らない個人が実は脱退の意思を有していなくても、
規則を守らない理由をアピールしなければ、やはり脱退の意思表示と
みなされます。
ですので、もし、自分が守れない規則があった場合は非難をおそれず
規則を守れない理由をアピールしましょう。
「沈黙は金」という格言がありますが、この件に限っては
「沈黙は脱退の意思表示の肯定」とみなされます。
ですから、よっぽどのことが無い限り研究室の規則、学科の規則は
守りましょう。そもそも、守れないような規則のある研究室などは
配属されないように注意深く避けるようにするほうが賢明です。
- メール
- 情報系の学科では、連絡方法としてメール(メーリングリスト)が多用されます。
このメールという方法は、出すのも受けるのも簡単なので、
案外、なおざりにしてしまうことがあります。
しかし、メールを出した人は、自分の出したメールに対してのリアクションを
求めているはずです。
ですので、自分の出したメールに対してリアクションが無い場合は
「無視された。」
あるいは、
「リアクションのする価値のないものだと判断された。」
と判断します。
これは、よろしくないことです。
もし、メールの差出人があなたの卒業論文の成功を左右する人物だった場合
致命的なことになりかねません。
この致命的な失敗をまぬがれるためには、
最低、一日一回メールのチェックをする
という習慣をつけるしかありません。
メールは、次の情報さえ分かっていればインターネットにつなげる
環境ならば、世界のどこからでも受信することができます。
- 受信メールサーバーのアドレス
- 受信メールサーバーにおけるアカウント名
- 受信メールサーバーにおけるパスワード
同様に送信メールサーバーにおいても上記と同じような
情報が分かっていればどこからでもメールを送信することが
可能です。
設定については、各メーラーによって違うので
詳しくは、Webを検索してみてください。
一方、メールを連絡に多用するということは、
コンピュータウィルスの被害も簡単に研究室内部に広がるといいかえる
こともできます。
ですので、研究に用いるマシンにはワクチンソフトを入れておくことが重要です。
何かのファイルをメールで添付するということもよくあることです。
もし、メールで何かのファイルを送る際には、必ず、本文中に
「私は、何々という名前のファイルをこのメールに添付しています。」
と書く習慣をつけましょう。
そのようにしないと、あなたのメールアドレスを騙ってウィルスが
送られてきた場合のウィルス感染する可能性が飛躍的に高まってしまうことになります。
- ファイル転送
- メールに添付ファイルの形式でファイルを送るのも手軽な方法ですが、
添付ファイル容量が大きいときには、その行為はメールボムと何ら変わりが
なくなってしまいます。
ですので、普通はどこかのFTPサーバーにファイルを一時置いて、
そのFTPサーバーのアドレスをメールで教えるという方法をとります。
FTPサーバーを使うためのコマンドは、前述のftpコマンドが筆頭に挙げられます。
多くのUnix系システムの場合、ルートディレクトリのすぐ下に
tmp
というディレクトリが存在します。
このディレクトリは一時的にファイルを保管することを目的としたものです。
そのため、ディレクトリのパーミッション(アクセス権限)は読み書き自由になっています。
FTPサーバーを利用したファイルのやり取りにはこの/tmpディレクトリを
利用するのが一般的です。
それでは、FTPサーバーを利用したファイルの受け渡し方法について述べます。
以下の方法は、ホスト側のマシンにログインできることが前提となっています。
(ホスト側のマシンとは、あなたがこれからアクセスしようとしているマシンのこと。
あなたがホスト側のマシンにアクセスするために使用しているマシンのことをクライアントという。)
まず、あなたが引き渡したいファイル群を一つのファイルに固めます。
% tar xvf watasu.tar watasu/*
次に、ファイルの受け取りに時間がかからないようにファイルを圧縮します。
% gzip watasu.tar
このgzipというコマンドは、拡張子.gzという形式でファイルを圧縮します。
上記のコマンドによってできるファイル名は、watasu.tar.gzです。
次に、FTPサーバーとして使用するマシンにこのファイルを転送します。
(FTPサーバーとして使用するマシンが別のマシンの場合)
転送方法については省略。
FTPサーバーとして使用するマシンにファイルを転送し終えたら、
このファイルを先に述べた、/tmpに移動させます。
% mv watasu.tar.gz /tmp/
注意!!
この操作は、ファイルの保存ではありません。
/tmpに移動したファイルは一定期間を過ぎると消去されます。
そして、このマシン名とファイルがどこにあるのかという情報を
ファイルを受け取って欲しい人にメールで伝えます。