転ばぬ先のバックアップ

キーワード バックアップ
使用OS Unix系、Linux系
このページはバックアップについて述べます。

バックアップの重要性

「痛い思いをしなければバックアップの重要性は分からない。」
これは、よく言われることです。
この「痛い思い」が一日の仕事のロス程度ならばかわいいものですが、
一年間の仕事のロスだったときに、あなたはたちなおることができますか?
できないかたは、バックアップをしたほうがよいでしょう。

バックアップをどのように行うか?

私が研究室に配属された年に、研究室の助手の先生に次のように言われました。
「バックアップは違うマシンに最低3箇所行えば、まず安心。」
私もみなさんにこの言葉を贈ります。

私がみなさんに提案するバックアップの間隔は1日ごとです。
何をバックアップするか?
システム全体をバックアップしておけば、万全ですが実際そんなことを する気にはなりません。
現在、研究対象としているソースコード、データ、ドキュメントを片っ端から バックアップしましょう。

具体的なバックアップ方法

バックアップ先として、自分のマシン、Floppy Disk、ログインを許されている 別のマシンの3つを対象に考えます。

とにかくtarで固める。

tarコマンドの歴史についてはご自分で調べてください。
tarは圧縮形式の一つです(?)。
圧縮率はよくありません。しかし、便利なのはばらつきがちなファイルを
ディレクトリごと一発で一つのファイルにすることができるということです。
その下準備として研究を行う際、適当な名前でディレクトリを作成し
そのディレクトリの下ですべての研究、開発を行うようにしましょう。

そして、本日の仕事が終わりました。
本日もおもむろにバックアップをします。
バックアップをするときに重要なのは、このバックアップファイルはいつのものなのか ということをはっきりさせることです。
大学院進学の方は、6桁の数字で、就職なさる方は4桁の数字で今日の日付をいれましょう。
例えば、2001年6月21日にバックアップしたのならばファイル名を
soturon010621.tarのようにします。

バックアップをしたいディレクトリの1つ上のディレクトリに移動して
(本当は移動する必要はないのですが。)おもむろに次のコマンド。
% tar cvf soturon010621.tar soturon/*
このコマンドの意味は、ディレクトリsoturonの下にあるすべてのファイルを
soturon010621.tarという名前のファイルにtar形式でまとめなさい
という意味です。より詳しく知りたい方はmanコマンドで調べてください。

自分のマシンにバックアップを保存する

tarコマンドで固めただけではバックアップとしては70点です。
やはり、毎日のバックアップファイルをまとめて一箇所に管理しておくべきでしょう。
そこで、適当なディレクトリを作成しそこに本日作ったバックアップファイルを
移動しておきます。自分のマシンへのバックアップは以上です。

Floppy Diskにバックアップを保存する

廉価で手軽なバックアップの媒体としてFloppy Disk(以下FD)が 挙げられます。
FDをLinuxやUnixのファイル形式にフォーマットしてもよいですが、
LinuxにはMコマンドと呼ばれるツール群があるので、Dos形式に
フォーマット済みのFDを用いることにしましょう。

ついでにこのMコマンドの利点は、FDドライブにいちいちマウントしないで
よいことです。FDドライブへの読み書き権限があればマウントなしで
実行できます。

mcopy

mcopyは、FDからHDDへ、あるいはHDDからFDへと ファイルをコピーするコマンドです。
例えば、FDがAドライブに入っている場合、さっきのバックアップファイルを
FDにコピーするときのコマンドは、次のようになります。
% mcopy soturon/tar/soturon010621.tar A:/
Mコマンドは、Dosユーザーを念頭においたコマンドなので、FDドライブの
表現方法は、A:/となります。
逆の操作はみなさんの予想通りです。

mdir

このコマンドはFDの中身を表示させるコマンドです。
Dosでdirコマンドを実行したような画面が展開します。
% mdir

mdel

このコマンドはFDの中身のファイルを削除します。
私の使っているmdelは、正規表現とファイル名補完は効きません。
実行は次のとおり。
% mdel A:/soturon010623.tar

ログインが許されているマシンへの保存

ログインが許されているマシンへの保存は、普通ftpコマンドを用いて 行います。
以下に記述するftpコマンドの使い方は最低限の使い方です。
理由は、私がこの使い方しかできないからです。
ftpコマンドについて詳しく知りたい方はmanコマンドや本を読んでください。
まず、転送したいファイルのあるディレクトリに移動します。
% cd soturon/tar

次に、ログインを許されているマシンのftpサーバーに接続します。
% ftp <ログインの許されているマシン名>.<ドメイン名>

ちなみにマシン名がhogehoge、ドメイン名がics.go.jpならば
% ftp hogehoge.ics.go.jp
となります。

ファイルをおきたいディレクトリに移動します。
% cd kokonioku

ftpコマンド内ではlsコマンドも利用できます。
%ls

現在のディレクトリ内にファイルを転送したい場合はputコマンドを利用します。
% put soturon010621.tar

逆に現在のディレクトリにあるファイルを自分のマシンに転送したい
場合はgetコマンドを利用します。
% get soturon010621.tar

ftpコマンドを終了するときはquitコマンドを使用します。
% quit

以上の処理で独立した3ヶ所にバックアップファイルを保存することができました。

もし、メディアとしてCD−RWを用いたい場合はLinuxにおいては
多少面倒な設定が必要となります。
その設定については、既におなじみLinux活用日記さんにコンテンツがありますので
参考にしてください。


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